監修 名古屋大学医学部附属病院 腎臓内科学/小早川整形リウマチクリニック 永井 薫 先生
注射を忘れないように、以下のような対策を講じましょう。
万が一、注射予定日に投与を忘れてしまった場合は、自己判断でほかの日に注射することはせず、医師に連絡し、指示にしたがってください。
注射の手順や操作方法に関しては、しばらくの間は毎回、注射の前に自己注射のためのガイドブック等を見直して手順を確認すると安心かと思います。
100mg投与の場合は、1回に2本注射することを忘れないようにしましょう。また、注射部位は毎回変え、同じ箇所に繰り返し注射しないでください。例えば下腹部の場合はおへそを中心に左右交互に投与するようにしましょう。この際、おへその周り5cm内には注射しないでください。
前回注射した場所を忘れないようにするため、右、左どちらに投与したのかを書き留めておきましょう。
例えば他の生物学的製剤から変更になった場合、注射方法に十分ご注意ください。
キャップ(シリンジの場合は針カバー)の外し方には、まっすぐ引き抜いて外すタイプ(シンポニー®シリンジ)、ねじって引き抜くタイプ(シンポニー®オートインジェクター)などがあります。
誤った使用方法により誤作動を引き起こすおそれがありますので、正しい使用法をマスターしましょう。
シリンジの自己注射で補助具を使用すると、針カバーを患者さん自身が外す必要がありません。シリンジの自己注射の実施に不安がある方は、医師・看護師に相談して補助具の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
注射の後、少し出血することがあります。その場合は、アルコール消毒綿、綿球またはガーゼパッドで皮膚を押さえます。必要に応じて、注射部位に絆創膏を貼ります。
冷蔵庫で保管する自己注射薬の場合、医療機関でお薬を受け取った日はすぐに冷蔵庫に入れましょう。受診後に外出の予定があるときや、夏場の気温が高い時期は、保冷バッグを利用して持ち帰るとよいでしょう。長期の出張や旅行の際も、保冷バッグに入れて持ち運ぶことをお勧めします。飛行機で移動する場合は事前に航空会社に問い合わせ、航空機での移動時の持ち運び方法を確認しておきましょう。車で移動する場合は、注射器を車中に放置しないでください。特に夏場は温度が高くなりますので気をつけましょう。もしも放置してしまった場合は使用せず、かかりつけの医療機関に連絡してください。決められた日に注射できないことがあらかじめわかっている場合は、医師に確認して指示にしたがってください。