監修 名古屋大学医学部附属病院 腎臓内科学/小早川整形リウマチクリニック 永井 薫 先生
主治医から在宅での自己注射を勧められたとき、「操作が難しそう」など、不安を感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、医療機関できちんと指導を受けることによって、自己注射の方法を理解、習得することができ、在宅自己注射での治療も可能になります。
在宅自己注射には、医療機関ではなく自宅で注射することで通院回数が減るなどのメリットがあります。通院回数が少ない、もしくは減ることによって仕事、家事、趣味など、ライフスタイルに合わせた、ご自身のやりたいことを優先しやすくなるため、在宅自己注射の使用に対して前向きに取り組めるのではないでしょうか。在宅自己注射による治療は通院間隔が空きますので、体調不良や注射の不具合などがありました際にはすぐに医療機関へ連絡することを忘れないようにしてください。
シンポニー®の投与頻度は4週に1回で、投与量によって1回1本または2本注射します。シンポニー®をご使用中の患者さんには投薬カレンダーがありますので、カレンダーをご希望の方は医師・看護師・薬剤師にお問い合わせください。
シンポニー®の注射器の種類には、皮下注50mgオートインジェクターと皮下注50mgシリンジの2種類のタイプがあります。
シンポニー®は、お薬の成分が注射器(シリンジおよびオートインジェクター)に充填された使い捨ての注射キットです。シリンジには自己注射を安全に行うためのサポートとしてSサポートシェルという補助具もあります。
在宅自己注射による治療中に異変を感じた場合は、すみやかに医師または看護師に連絡してください。特に以下のような症状があらわれた場合は、すぐに連絡しましょう。
シンポニー®での治療中は免疫力(体を病原体などから守る力)が低下して、感染症にかかりやすくなる可能性があります。感染症に関しては、寒気がする、熱がある、咳が出るなど風邪のような症状がある場合、熱はなくても下痢や食欲低下がみられる場合などは自己判断で注射したり、中止したりせず、主治医・看護師に連絡して指示に従ってください。
また、初めて自己注射をする方は、必ず主治医または看護師から、適切な注射方法の指導を受けます。
その際に重要なのは、指導を受けても不安が残る場合は、遠慮せずに主治医や看護師に伝えることです。