潰瘍性大腸炎の原因の一つとして、腸内の免疫機構が過剰に働く、
自己免疫反応の異常が考えられています。
潰瘍性大腸炎の原因ははっきりわかっていませんが、何らかの遺伝的素因に食事や衛生環境などの環境因子が加わって、腸内細菌のバランスや腸の粘膜の免疫調節機構が障害され、免疫反応が過剰になり、腸管に炎症が生じると考えられています。
腸の炎症を引き起こす原因となる物質の一つとして、
体内のTNFαが大きくかかわっていることが知られています。
TNFα(ティー・エヌ・エフ・アルファ:腫瘍壊死因子)は免疫にかかわっている物質の一つで、普段は細菌や異物から体を守る大切な役割を持っていますが、過剰になるとからだの細胞や臓器に作用して、炎症を引き起こしたり悪化させたりする原因にもなります。潰瘍性大腸炎では、TNFαが腸の炎症にかかわる重要な物質であることが知られています。